どうなってるの?

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《目次》
加計学園問題 前次官喚問を自民拒否 文科相「再調査しない」
「総理のご意向」文書を告発 前川前次官は怖いもの知らず
弩級の籠池砲 森友「地下3m以深ゴミなし」で財務省窮地
日本の借金「1071兆円」 心配すべきは国ではなく私たちの生活
浜田宏一君は内閣参与を辞任せよ
安倍政権がもくろむ 「軍人勅論」「戦陣訓」の大衆洗脳
やっぱり、おかしいよね
浜矩子氏が警鐘 「安倍首相は幼児的凶暴性の強い人」
安倍首相が年金私物化…GPIFが米インフラ投資に消える
(必読)中国人の邦人虐殺、通州事件を学べ
都政を食い物にした石原慎太郎氏 都知事時代の“黒歴史”
AMAZONの鰐??
「日本人は教養不足」「習近平を見習え」鳩山由紀夫訪韓妄言録
これが本当の「土下座外交」
変見自在 嵌り役日本
原発事故は「人災」班目原子力安全委員長

明らかになる「想定外」の虚構
increasingly loopy
「新・東京裁判」再読(阿川弘之)
公明党よ、権力に味をしめたのか
原爆投下「しょうがない」久間発言
「従軍慰安婦」を米誌に‘広報した’安倍政権広報マン


加計学園問題 前次官喚問を自民拒否 文科相「再調査しない」
[Sunday,May28,2017]

民進、共産、自由、社民の野党四党は二十六日午前、国会内で国対委員長会談を開き、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部の新設計画を巡り、「総理の意向」などと記載のある記録文書の存在を認めた文部科学省の前川喜平前事務次官の証人喚問を求めることで一致。民進党の山井和則国対委員長が自民党の竹下亘国対委員長と会談して申し入れたが、竹下氏は拒否した。
 会談で、竹下氏は前川氏が民間人であることに触れ「現職の時になぜ言わなかったのか」と指摘した。山井氏は会談後の記者会見で「民間人の籠池泰典氏を喚問したのは自民党。ご都合主義だ」と批判した。
 四野党の国対委員長は衆院予算委員会での集中審議開催を求めることも決定。前川氏の証人喚問要求と合わせ竹下氏に申し入れた。竹下氏は回答を留保した。
 民進党は参考人招致を求めていたが、前川氏の会見を受け喚問に切り替えた。
 民進党の蓮舫代表は二十六日の参院議員総会で、前川氏の証言を踏まえて「当時の事務方トップの言葉は非常に重い。官邸の意向で行政がゆがめられたのかどうか、徹底的に明らかにしたい」と強調した。
 一方、菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で、文書について「出所不明のもので信憑性(しんぴょうせい)も欠ける点は(前川氏の)会見があっても、変わりない」と語った。
 文書の存否の再調査に関しては「前川氏は担当課から受けたと言っているが、調査では担当課の職員にも聴取を行った結果、該当文書の存在は確認できなかった」と指摘。「国家戦略特区は岩盤規制に風穴を開けるわけだから、内閣府は規制官庁と侃々諤々(かんかんがくがく)、大議論を行うのは当たり前。行政がゆがめられたことはまったくない」と強調した。
 前川氏が認めた「出会い系バー」への出入りについては、杉田和博官房副長官が以前、前川氏に確認した上、注意したと明らかにした。菅氏はこれまで、前川氏の在職中には事実関係を把握していなかったと説明していた。

 松野博一文部科学相は二十六日の閣議後の記者会見で、文科省の前川喜平前事務次官が加計学園の獣医学部新設計画を巡る記録文書の存在を認めたことについて「既に辞職した方なので、コメントは差し控える。文科行政がゆがめられたとの認識はない」と述べた。 記者団から一連の文書について改めて調査する意向があるか問われた松野氏は「再調査をする考えはない」と断言した。

【東京新聞 2017年5月26日

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「総理のご意向」文書を告発 前川前次官は怖いもの知らず
[Saturday,May27,2017]

「文書は間違いなく本物。大臣や次官への説明用として担当の高等教育局専門課が作成した」――。メガトン級の内部告発だ。加計学園の獣医学部新設を巡る「総理のご意向」文書について、文科省前事務次官の前川喜平氏が25日発売の週刊文春で「本物」と認定。安倍首相の「威光」をカサに着た内閣府サイドの圧力の実態をブチまけた。前川氏は同日の朝日新聞にも登場、TBSの取材にも応じていている。
 当時の文科省トップが「正式な文書」と認めた記録を、勝手に「怪文書」と決めつけた菅官房長官は国民に詫び、首を差し出すのがスジ。ところが、前川氏の“風俗通い”をネタに今なお開き直った強弁を繰り返す。とんだ恥知らずだ。
■官邸はいまだに「怪文書」扱い
〈官邸の最高レベルが言っている〉
〈「できない」という選択肢はない〉
居丈高な態度で筋の通らない要求を強引に迫る内閣府・地方創生推進事務局の藤原豊審議官らの発言記録を一つ一つ、前川氏は文春の取材に「事実」と認め、知る限りの経緯を証言している。
 8年間で15回も申請を蹴られた獣医学部新設のスピード内定の出来レース。安倍の「腹心の友」の希望通り、行政が歪められた実態を前川氏は「『赤信号を青信号にしろ』と迫られた」と表現。問題の〈総理のご意向〉という言葉については、こう語る。
「ここまで強い言葉はこれまで見たことがなかった。プレッシャーを感じなかったと言えばそれは嘘になります」
 そして「『これは赤です。青に見えません』と言い続けるべきだった。本当に忸怩たる思いです」と反省の言葉を口にしているのだ。
 文科省の当時の最高責任者がここまで腹をくくって証言した以上、首相の“腹心の友”への便宜供与を裏付ける文書の内容は、ますます信憑性を帯びてくる。
居丈高な態度で筋の通らない要求を強引に迫る内閣府・地方創生推進事務局の藤原豊審議官らの発言記録を一つ一つ、前川氏は文春の取材に「事実」と認め、知る限りの経緯を証言している。
 8年間で15回も申請を蹴られた獣医学部新設のスピード内定の出来レース。安倍の「腹心の友」の希望通り、行政が歪められた実態を前川氏は「『赤信号を青信号にしろ』と迫られた」と表現。問題の〈総理のご意向〉という言葉については、こう語る。
「ここまで強い言葉はこれまで見たことがなかった。プレッシャーを感じなかったと言えばそれは嘘になります」
 そして「『これは赤です。青に見えません』と言い続けるべきだった。本当に忸怩たる思いです」と反省の言葉を口にしているのだ。
 文科省の当時の最高責任者がここまで腹をくくって証言した以上、首相の“腹心の友”への便宜供与を裏付ける文書の内容は、ますます信憑性を帯びてくる。
■待ち受けるさらなる暴露
 前川氏は、年商812億円を誇る世界的な産業用冷蔵冷凍機器メーカー「前川製作所」の御曹司で、妹は中曽根弘文元外相に嫁いだ“華麗なる一族”の出だ。
 当然、官邸の横やりで天下り先を失っても困らないため、政権の裏側で何が起きているのか、その腐敗の真相を遠慮なく暴露できる。
 すでに「告白の内容はまだおとなしい。昨年12月に新設が合意に至る直前の“ご意向”圧力は特に凄まじかったようです。まだ表に出ていない文書もあるはず。前川氏は面倒見がよく、人望がありますから、歴代次官OBや“奇兵隊”と称する後輩の現職官僚も味方しています」(文科省関係筋)との声もある。
 民進党も前川氏の疑惑追及チームへの出席や、国会招致も視野に入れている。さらなる決定打が飛び出せば、安倍首相は政権発足以来最大の窮地に立たされる。

【日刊ゲンダイ 2017年5月26日

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弩級の籠池砲 森友「地下3m以深ゴミなし」で財務省窮地
[Friday,May19,2017]

メガトン級の「籠池砲」だ。大阪市の学校法人「森友学園」の国有地激安払い下げ問題で、民進党プロジェクトチーム(PT)が16日開いた会合に出席した籠池泰典前理事長。小学校建設をめぐり、当時、森友の顧問弁護士だった酒井康生氏と京都市のキアラ建築研究機関、藤原工業などの間でやりとりされたメールを公開したのだが、その中身は仰天だ。ナント! 巨額値引きの根拠となった地下のゴミが「ナシ」と記されていたからだ。
 メールの中身をざっくり言うと、近畿財務局(近財)から、小学校建設地のボーリング調査データ「柱状図」の提出を求められ、その対応についてキアラと酒井弁護士が複数回にわたって対応を協議しているもの。「柱状図」は財務、国交両省が国有地払い下げの際に価格を算出した根拠資料だ。
 両省はこのボーリングデータなどを基に、地中9.9メートルまでゴミが埋まっていたとして、8億円の値引きを決めた――としているが、メールにはこんなくだりが出てくるのだ。
〈ボーリングした位置においては、約3m以深には廃棄物がないことを証明しております〉
 驚天動地とはまさにこのこと。ボーリング調査した業者自身が、3メートル以深にはゴミがないと認めていたのだ。つまり、近財に柱状図を提出したら、ゴミがないことがバレるため、どうしようかと協議していたワケで、結局、キアラは酒井弁護士に〈工事に関わるボーリング調査に関する資料は抹消いたしました〉と報告。しかし、これが事実であれば、ボーリングデータが抹消されたにもかかわらず、財務、国交両省はどうやって「地下9.9メートルのゴミ」を確認し、「8億円値引き」を決めたのか。これまでの国会審議が全て吹っ飛ぶ重大証言だろう。
 その謎を解くヒントは別のメールだ。キアラが、国交省航空局の「安地」氏に対し、〈(ゴミの)処分費単価を送らせていただきます〉〈ご用命いただいておりました小学校建設地のボーリング及び液状化の第三者資料を送らせていただきます〉という内容だ。
これを文面通り解釈すれば、業者がゴミの処分費用の積算資料を作り、国交省に伝えていたことになる。つまり、財務省は国交省が適正に値引き費用を算出した――と説明していたが、大ウソだったワケだ。
 さらにトドメは、近財管財部統括国有財産管理官の池田靖氏が、キアラや酒井弁護士宛てに送ったメールだ。
〈当局としては5月末を目処に土地の評価額算定を実施し、森友学園との土地の売買契約を締結するべく、作業を進めたいと考えております〉
〈瑞穂の國記念小學院開校に向けご協力いただきありがとうございます〉
■籠池氏とのガチンコ勝負から逃げる財務省
 財務省はこれまで、一貫して森友側と国有地売買について事前協議したことはないと説明してきた。それが〈5月を目処に締結〉なんて具体的時期を提示し、〈ご協力いただきありがとうございます〉だ。森友が国にお礼を言うなら分かるが、なぜ、国が森友にお礼を言うのか。アベコベだ。これぞ、財務省が「国立安倍晋三小学校」建設のために“忖度”して動き回ったという証左だ。
これだけハッキリとした動かぬ証拠を突き付けられたにもかかわらず、相変わらず財務省はノラリクラリ。民進党PTに籠池前理事長と会合に同席するよう求められたのに、国会審議中を理由に“ガチンコ勝負”から逃げた。最終的に籠池前理事長と入れ替わる格好でPT議員の質疑応答に応じたが、例によって中尾睦理財局次長がチンタラと説明を続け、メールの中身についても「初めて見た」と言うばかり。ただ、新たな「籠池砲」に動揺を隠し切れなかったのも明らか。財務省が完オチするのも時間の問題になってきた。

【日刊ゲンダイ 2017年5月17日

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日本の借金「1071兆円」 心配すべきは国ではなく私たちの生活
[Monday,May15,2017]

日本の借金は1071兆円−財務省が5月10日に発表した今年3月末時点の残高である。この額は今世紀に入って約1.5倍に膨らみ、今後も当面増え続ける。主要先進国の中で最大の借金を抱える日本は破綻しないのか、私たちの生活はどうなるのだろう?
■国民1人あたり850万円?
この額を総人口で割ると1人あたり850万円近く、これにはもちろん0歳児も含まれる。年間の給与所得の平均520万円(15年、国税庁調べ)と比べると1.6倍以上だ。誤解のないよう申し添えると、これはあくまで国(日本政府)の借金で、後述のように国民はむしろ貸している側である。
借金がここまで膨らんだのは、政府が長年赤字を続けているからだ。2000年以降で見ると年間の平均赤字額は30兆円以上にのぼり、これがほぼそのまま借金になる。今年度の予算がざっと100兆円だから、雪だるま式に増えてきたといってよいだろう。国民総生産(GDP)に対する比率で見るとこれも主要先進国の中で最悪である。
この収支を月収40万円の平均的な家計で例えてみよう。金額は大ざっぱだが、この家計の支出は収入を大きく上回る月62万円。内訳は、年金や医療など社会保障費が21万円、借金の返済・利払いで15万円、生活費が26万円である。
社会保障と借金関連の合計36万円は右から左に出て行ってしまうから、収入の残りはわずか4万円。したがって生活費の不足分22万円は毎月借金で賄わざるを得ない。社会保障費はこのまま行くと増え続けるから、今後はさらに借金を増やさないと生活していけない。
こんな状況が続けば借金が返せなくなり、普通なら破産してしまうところだが、日本がそうなると心配する声はほとんど聞かれない。そう、日本政府は「絶対に」破綻しないのである。その理由は以下の通りだ。
■それでも日本は「絶対」つぶれない
政府の借金の約9割を占める国債の保有者内訳をみると、国内の民間金融機関が約5割、中央銀行(日銀)は約4割で、海外からの借り入れは6%にも満たない。個人が直接保有する国債はごくわずかだが、実はその預金や保険の積立金が金融機関を通じて国債に投資されている。
日本では永らく低金利が続き、この運用難のなかで個人や銀行にとって値下がりリスクの小さい国債は数少ない選択肢のひとつ。また日銀も金融緩和策の一環として毎年80兆円程度の国債を買い入れており、当面は買い続けるだろう。買う人が十分にいる限り、国債が発行できなくなる、あるいは暴落してパニックに陥るようなことはない。
2つ目の理由は、日本はその厳しい財政状況とは裏腹に、世界最大の債権国であることだ。日本の企業や個人、政府が海外に持つ資産は、16年末の合計で949兆円。ここから海外からの投資などを差し引いた対外純資産は339兆円と世界で最も多く、2位ドイツの190兆円強を大きく上回る。
さらに、日本には家計の貯蓄が1700兆円以上もある。政府の1000兆円強の借金を差し引いても国全体で見れば700兆円規模の資産があるわけだ。これらはいずれも、海外債務に対して返済能力が十分あることを示す。したがって、外国から見れば日本は信用力が高く、保有国債を売る理由はとくに見当たらないのである。
3つ目、そして「絶対に破綻しない」究極の理由は、日本の国債が円建てであることだ。これは当たり前のようだが、実は対GDP比の借金が日本よりはるかに低いギリシャが数年前に債務危機で騒がれたのと決定的に違う点である。同国は自国通貨を持たないため、共通通貨ユーロをEU(欧州連合)諸国から借り入れざるを得ず、十分な貸し手がいるかどうかが破綻懸念につながった。
しかし、日本は自分で紙幣を印刷できる。大量に発行すると日本円の価値が下がり、大幅なインフレになる恐れはあるが、返済を迫られたらお札を刷れば済むのである。「なんだ、それなら借金が巨額でも問題ない」、と思ったらそれは違う。真剣に心配しなければならないのは、私たちの生活だ。
■国はつぶれなくても、生活は苦しく
日本では前述のように社会保障費が当面増えるため、税収が増えなければ他の予算を削らざるを得ない。また、収支改善のために医療費補助、年金給付などの支出を抑えると、国民全体の実質所得が減り、消費が冷え込む。そうなると再びデフレマインドが強まり、賃金も上がりにくくなる。これらはいずれも景気のマイナス要因となり、税収にも響く。
また、日銀が緩和策を強化し、紙幣の流通をさらに増やすとインフレが加速する恐れがある。賃金が上昇すれば、勤労者はある程度吸収できる。しかし年金生活者は、この先の給付減・負担増がほぼ確実で、物価上昇はダブルパンチになる。消費の大きな割合を占める高齢者層が生活を守るためにさらに節約すれば、国全体では景気悪化の方向に向かう。
このように、財政・金融政策の小手先の対症療法だけでは国民生活は苦しくなるばかりだ。ご存じの通り、日本では少子高齢化がさらに進み、総人口は2050年に現在より2割以上減り、1億人を割る見通しだ。現役層の社会保障負担がさらに増す、すなわち手取りが減ることを考えると国内需要は人口減以上に縮むだろう。
日銀は4月末の景気判断で「拡大」という言葉を約9年ぶりに盛り込んだ。確かに大都市圏では建設ラッシュや人手不足が続いている。しかし現在の「拡大」は、20年の東京五輪に向けた需要が支えている部分も大きいだろう。この特需がなくなった後のことを考えると空恐ろしくなる。
他方、政府には約680兆円もの資産があるから実質的な借金はそれほど多くない、との楽観的な見方もある。理屈上は確かにその通りだが、これは鵜呑みにできない。なぜならこの資産は、年金給付への備えや政府機関の土地・建物、そして幹線道路などのインフラがほとんどを占め、少なくとも借金返済には使えないからだ。実際に売却できるのはごくわずか、単なる憶測だが100兆円にも満たないだろう。
つまるところ、国民生活が苦しくならないようにするには、経済をその分成長させるしかない。安倍政権の看板政策だったはずの「3本の矢」は既に死語と化した感もあるが、成長のために強力な規制改革を謳った3本目の矢は今どこを飛んでいるのだろう。
ネット上には「日本の借金時計」のサイトがいくつかある。その数字自体は地方政府の債務も含むなどそれぞれ違うが、借金が刻々と増える様を目の当たりにすると切迫感を覚える。これを一番見てもらいたいのは、永田町と霞ヶ関はいうにおよばず、全国津々浦々の政治家と役人だ。
そうすれば、少なくとも「税金のムダ遣い」が少しは減るのではなかろうか。そして現役世代には、将来に備えた資金を今から蓄えるよう心底お勧めする。(シニアナリスト上杉光)

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浜田宏一君は内閣参与を辞任せよ
[Saturday,April15,2017]

浜田宏一君は内閣参与を辞任せよ
―金融緩和の失敗は最初からわかっていたー
内閣官房参与の浜田宏一君にこんな手紙を出したことがあります。(二年前からアベノミクスの大失敗がはっきりしており、今年になって株は大暴落し、ベース・マネーはすべて、投機に使われたことが改めて顕現いたしました。
(中略)浜田先生、これ以上日本経済を混乱させないために、内閣官房参与を辞任されては如何ですか?
(中略)浜田先生のように、責任ある地位にある学者が日本を破滅と自滅に追い込んでいるのです>
私は前々からアベノミクス、特に 超金融緩和政策に反対をして来ました。物価上昇がいっこうに起こらず、株価が上景しても利益を海外に奪われるばかりなのに、それで緩和策に固執する姿を見て、知らぬ仲ではない浜田君に思い余って手紙を書いたのは、昨年1月のことです。でも浜田君は意見を変えてくれませんでした。アベノミクスの理論的支柱である彼には、そう簡単に意見を変える自由などないのかもしれま せん。浜田君が変わったのは昨年11月以降のこと。日本経済新聞紙上と「文藝春秋」誌上に相次いで、自身が主張してきた経済政策についての軌道修正を表明しました。
本誌1月号「『アベノミクス』私は考え直した」では次のように語っています。
<今、日本経済は世界各国で起こる波乱要因に翻弄されています。特に過去1年余り、予想外の出来事によって、アベノミクスはやや手詰まり感を見せています。
(中略)私が「自分の考える枠組みに変化がある時は、正直にそれを伝えたい」と思ったことは事実です。
特に、アベノミクス3本の矢のうちの1本目、変え自信が必要性を度々強調してきた大規模な量的・質的金融緩和の限界を認め、これまでほとんど無視してきた財政政策の必要性を主張するようになったのです。 しかし、その語り口はまるで「僕にも知らないことがあった」と言っているようであまりに軽く、国の経済政策を誤らせた責任の重大さを痛切に感じているようには受け取れませんでした。 最初から間違った方法論を採用していたから、アベノミクスは失敗したのですが、その失敗が各種統計から明らかになってきた現在、浜田君は政策を主導してきた一人として責任を取るべきだ私は考えています。
こう語るのは、日本金融財政っ研究所所長の菊池英博氏(80)。菊池氏は旧東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)勤務を経て、文京女子大学教授などを務め、一貫して市場任せの新自由主義的な経済政策を批判してきた。浜田氏とは学部は違うものの同時期に東京大学で経済を学んでいた。
私は銀行、浜田君は学者の道を歩み東大教授になりましたが、浜田君の同僚であった友人から彼の動静を折につけ聞いておりました。経済政策について彼と話をするようになったのは2001年ころからです。イエール大学の教授だった浜田君は、01年1月に省庁再編に伴う機構改革で内閣府に誕生した経済社会総合研究所の初代所長として、アメリカから招かれていました。
私は文京女子大学の教授で、98年には「日本の不良債権問題は大恐慌型なので公的資金を大手行に注入すべきである」と新聞紙面などを通じて提案し、それが金融機能早期健全化法につながりました。また01年に内閣府が開催した不良債権問題に関する国際フォーラムにも、司会の浜田君の招きで出席しました。メインテーマの不良債権問題に関しては意見がほぼ一致したのですが、金融政策に関しては当時から意見が正面からぶつかりました。 02年10月に広島で開催された日本経済学会のシンポジウムで、私が小泉構造改革を批判したときのことです。小泉政権の経済政策を一言でまとめるとすれば「財政緊縮・金融緩和」。私はその席で「小さな政府」を目指す緊縮財政路線は決定的な間違いだと指摘し、その路線で構造改革を進めると「必ずデフレが深刻化する」と発言しました。 そのとき浜田君はシンポジウムの司会役で、「そうは思わない」と反論しました。そして金融緩和の有効性について持論を展開し、小泉・竹中の構造改革路線を支持する一方で、当時の緩和策では不十分だと日銀を批判したのです。 オープンな学会でのやりとりだったので巷でかなり話題になりました。広島からの帰りの電車でいっしょになった岩田規久男君(現・日銀副総裁)にこう声をかけられたのを覚えています。「菊池さん、思い切ったことを言いましたね。これから議論になっていくテーマですよ」
岩田君は日銀批判でその名を知られていた学者で、当時の速水優総裁が進めていた量的緩和では物足りないと舌鋒鋭く批判していました。 その後、浜田君は二年の任期満了に伴い所長職を辞し、アメリカへ戻ります。日本に戻ってくるのは十年後。そしてこの不在期間が長期に及んだことで、日本の金融政策を考える上で重要な視点を欠いてしまったのだと私は見ています。
実は、リフレ派の主張する量的・ 質的金融緩和は世界に先駆けて日銀によって実行されており、日本は金融緩和において世界一進んでいたと言って過言ではないのです。それを浜田君は理解していませんでした。 速水総裁がゼロ金利政策を採ったのは01年3月。03年に福井俊彦総裁が就任してからも日銀史上例のない方針は継続され、それは06年7月まで続きました。一国の金融がどの程度緩和されているかを知る指標として、「マネタ リーベースのGDP比率」があります。マネタリーベースとは簡単に言うと「市中に出回っている現金」と「日銀にある金融機関の当座預金」の合計のことですが、そのGDPに対する比率は00年時点でも、アメリカ5・9%、ユーロ圏6・9%に 対して、日本は12・9%と突出していました(野村総研チーフエコノミストのリチャード・クー氏の計算による。以下同様)。
その後も日本では金融緩和が進められたので、第二次安倍政権が発足した12年になると、アメリカ18・3%、ユーロ圏17・7%に対して、日本は27・9%まで上昇。 先進国では突出して綾和が進んでいたのです。日銀は緩和によって銀行の貸出が増えると期待していました。ところが、マネタリーベースをいくら増やしても、銀行は貸し出しを増やさずマネーストック(金融部門から企業や家庭に供給されている通貨の総量)が期待通りには増えませんでした。実際に景気の動向を左右するのはマネタリーベースではなくマネーストックのほうです。マネーストックが増えなければ金融緩和は意味がありません。つまり金融緩和の限界は、アベノミクス以前に明らかだったのです。ところが浜田君は長期間日本を離れていたせいか、国内の景気動向や企業の実態を掴めていなかったのでしょう。銀行が貸し出しを増やさないのは緩和が足りないからだと思い込んでしまった。日銀が世界に先駆けて金融緩和という実験をしていたことを見落としていたのです。 浜田君はいい意味でも悪い意味でもアカデミズムの世界の学者であり、金融機関の実情をわかっていません。私は銀行員だったので、日銀がいくら金利を下げても、銀行の現場が民間への貸出を簡単に増やせないことを経験的に知っていました。貸し出しを増やすことでリスクを負うことを恐れる銀行員のマインドは、日銀が資金量を増やすだけではどうにもならないのです。
浜田経済学の貧困さ
その浜田君がここに来て金融緩和の考えを改めたのはなぜか?本誌1月号の記事を読むと、「僕にも知らないことがあった」からだということですから、私は開いた口がふさがりませんでした。
浜田君は昨年8月に、アメリカのジャクソンホールでプリンストン大学のクリストファー・シムズ教授の講演を聞いてハッとさせられたのだそうです。浜田君は次のように語っています。
<私はシムズ氏の論文を読み、衝撃を受けました。「金融政策はなぜ効かないのか」という問いに、明快な答えを与えていたからですシムズ氏は「金融政策が効かない原因は『財政』にある」というのです。
(中略)現在の日本の状況も例に挙げて、」なぜ金融政策だけではうまくいかないかをずばりと言い当てていました。
シムズ氏は、金融緩和が有効であることを認めたうえで「より強い効果を出すためには、減税など財政拡大と組み合わせよ」と提唱しています。従来の経済学では、財政規律が緩むと、過度なインフレを招くうえ に財政赤字はかさみ、経済にダメージを与えることが強調されていました。しかし、シムズ氏は意図的に「赤字があっても、財政を拡大するべき(時もある)」と主張します。これは斬新なアイデアでした。
(中略)論文を読み、量的・質的緩和が効かず、インフレが起こらない理由は、「財政とセットで行っていないからだ」と分かったのです) 私はこれを読んで、浜田君がシムズというノーベル賞学者の講演に飛びついた印象を受けました。おそらく二年くらい前から浜田君は徐々に自身の考えに自信を失いつつあると見ていたからです。 そのころ(14年10月)に日本政策投資銀行が主催したパーティで彼に会う機会がありました。そのパーティは故・宇沢弘文先生(東京大学 名誉教授)の追悼の会も兼ねており、教え子のひとりである浜田君も顔を出していたのです。
久しぶりに再会した私は、「あなたのマネタリーベースを軸にした考え方は間違っている」と20分ほど率直に意見を述べました。彼は「ふんふん」と聞いており、「物価が上がらないのは石油価格の下落のせい」 などと反論もしましたが、その口調からはそれまでの自信が失われ、どこか迷いが感じられたものです。その頃は、黒田東彦氏が日銀総裁に就任して1年半が経過し、黒田バズーカと呼ばれる金融緩和が進んでいた時期でした。民主党政権下に比べれば株価は上がっていたものの、 金融緩和によって生まれたマネーは投機に使われてドル買いが進み、円安となって実質賃金が下がり始めたことなどから、アベノミクスの効果に疑問符がつき始めていました。あれから2年の歳月がたち、方針転換のタイミングを探っていたときに出会ったのがンムズの論文なのでしょう。「赤字があっても財政を拡大すべき(時もある)」とのシムズ主張が「斬新なアイデア」であると浜田君が本当に思ったとすれば、私は本質的に彼の経済学の貧困さに驚かざるを得ません。財政政策の重要性は、私に限らず、ことあるごとに指摘されてきたからです。どう言い訳しようと、明らかに浜田君の敗北宣言そのものなのに、本 人にその自覚がないのは嘆かわしいことです。
一本目の矢ばかり先行
私は、安倍首相が小泉政権から定着してしまったデフレからの脱却を試みていることは評価しています。しかしながらアベノミクスがいま失敗に終わりそうなのは、スタート地点において日本経済の情勢分析を誤っていたことに原因があります。先ほど触れましたが、第二次安倍政権発足時点で日本は十分に金融緩和された状態でした。他の先進国と比較してもマネタリーベースのGDP比率は突出して高かったのです。
にもかかわらず浜田君らがさらなる金融緩和の必要性を主張したのは、リーマンショック直後のアメリカの例があったからでした。
連邦準備制度理事会(FRB)は緊急事態を乗り切るための対策として大胆な利下げを行い、マネタリーベースを急激に増やしました。08年1月に年3・0%だったFRBの政策金利は、同年12月には年0・25%まで下げられました。当時のERBバーナンキ議長はこの急激な緩和策を続けることで、未曾有の危機を乗り越えることにとりあえず成功しました。GDP比のマネタリーベースが日本より圧倒的に低かったアメリカでは、マネタリーベースを短期的に一気に増やすことで株や商品市場を活気づけたからです。
これを見て浜田君らは「金融緩和は有効だ」と主張したわけですが、前述した通り日本はすでに金融緩和を長年続けていました。アメリカと同じことが起きるはずがなかったのです。さらに、リーマンショック後のオバマ政権は金融政策だけを実行したわけではありません。金融緩和とセットで72兆円にのぼる大型の財政出動を決め、さらに日本の不良債権問題に学び、金融機関を潰さないために公的資金を注入しました。 ところが浜田君や岩田君は単純に金融緩和だけに目を奪われ、これさえやれば大丈夫だと安倍政権にお墨付きを与えました。本来3本の矢であるべきアベノミクスは、1本目の矢ばかりが先行してしまったために 失敗しているのです。 量的・質的緩和が日本では効果がなかったことは様々な数値を見て明らかです。最も深刻なのは実質国民所得の低下でしょう。アベノミクスがスタートした12年と15年を比べると、マイナス5%と悲惨な数字が出ています。
そして日銀のマイナス金利政策にいたっては、出口戦略がまったく見えず、私の知る審議委員の一人は頭を抱えています。もはや日銀のバラ ンスシートはドロ沼状態であり、マ イナス金利で金融システム全体が危機に瀕しています。
実は、浜田君らが参考にした本家のアメリカでも、金融緩和をいくらやっても、数年のスパンで見ると企業や家庭にお金が回らないことが明らかになってきました。アメリカでは、リーマンショックのあった08年のマネタリーベースを100とした場合、21年は3507まで増えているのに、マネーストックは99と08年よりわずかに減少しているのです。つまり中央銀行が民間の金融機関にお金をどんどん貸し出し、市場がお金でじゃぶじゃぶになっているのにもかかわらず、 企業や家庭にまったくお金が回っていないという、日本とまったく同じ状況になっているのです。このデータが明らかになった当時のバーナンキ議長は「金融緩和によって経済が成長することは理論的に検証されない」という微妙な言いまわしによって、金融政策に限界があることを認めています。デフレ解消のために一定以上の金融緩和をしても効果がないことはすでに世界の常識なのです。アベノミクスを支えた理論の信用性はすでに崩れ去っていると言っていいでしょう。
中谷巌氏を見習え
それでは、日本はいかなる経済政策を採用すべきなのでしょうか。 昨春、消費増税の参考意見聴取のため首相官邸に招かれたジョセフ・ スティグリッツとポール・クルーグマンというノーベル経済学賞受賞者は二人そろって、景気回復に有効な のは第二の矢?の財政政策だと語りました。
これまで第1の矢に比べ、第2に矢は散発的でパットせず、放たれていないも同然なのです。今年度は、リニア中央新幹線計画の前倒しのインフラ整備を盛り込んだ補正予算が組まれましたが、これも単年でボンと出して終わり。一瞬明るくなるだけですぐに終わってしまう線香花火のようなものです。 私も賛同する国土強靭化とは、災害などに備えて老朽化した道路や橋梁などのインフラを大規模に補修・ 改修・新設するものです。自民党は財務省に潰されることを恐れ、長期計画ではなく一年ごとの投資にとどまっています。しかし、これでは国民所得を投資額以上に増やす「乗数効果」が出ません。 公共投資の波及効果は継続してこそ表れるものなのに、実態は予算と 同じく単年度主義。単年度ごとの線香花火で終わる傾向は、財務省政権とも言われた小泉時代から続いており、GDPに占める財政支出の割合は先進国で一番小さくなりました。OECDいよると、99年を100とした場合、13年にはアメリカ197、イギリス210、財政均衡の権化であるドイツですら128であるにかかわらず、日本は105。
これこそが日本経済を苦しめたデフレの主因であり、地方を衰退に追い込んだ現況なのです。
建設国債などと組み合わせた長期計画を立て、ドンドンと打ちあがる花火大会のように財政出動を継続していけば、景気は確実に回復し、税収も増えるでしょう。実際にリーマンショック後の2年間で72兆円の経済復興予算を立てたアメリカでは、3年後に確定した乗数効果が2・3〜2・5だったと発表されています(米議会予算局)。つまり72兆円の財政出動で、180兆円の経済効果を生んでいるのです。 私は5年で100兆円の財政出動をすべきだと主張しており、14年2月の衆議院予算委員会でも公述人として同様の意見を述べました。
浜田君は本誌1月号で「私は金融政策については様々な意見を述べてきましたが、財政政策についての意見は『消費税増税反対』などに限られていました」と語っていますが、ある内閣官房参与からは「浜田さんが財政出動にことごとく反対して、議論が進まなくて困る」という話も聞いています。アベノミクスの理論的支柱と言われながら、財政政策が全く視野に入っていなかったというのは驚くべきことです。
デフレ解消は正しい目標設定であり、遅まきながら軌道修正をするしか道はありません。金融一本槍だった方法論を「財政主導・金融フォロー」に修正すべきでしょう。
昨年はプレグジツト(イギリスの EU離脱)やアメリカのトランプ氏の大統領選勝利と、格差を弦大させた新自由主義に「NO」を突きつける動きが続きました。トランプ大統領は10年で1兆ドルの公共投資をすると発言しており、財政政策で経済を活性化しようとしている。今後、世界の政策トレンドは、財政主導型に変わっていく可能性が大いにあります。
これは浜田君らの主張の敗北です。かって小泉政権で政策決定に大きな影響力を持った中谷巌氏は「構造改革路線は完全な失敗だった」と過ちを認めました。これは学者、知識人としてとても潔い態度です。
誤りが明らかになった以上、浜田君は内閣官房参与の職を辞して金憩緩和路線の誤りをハッキリさせるべきです。そうすればマネタリストの学者、知識人も白旗を上げるでしょう。浜田君も私ももう八十歳。同じ時代を生きてきた者として、これ以上 晩節を汚して欲しくはないのです。

【文藝春秋 2017年3月特別号「経済アナリスト 菊池英博

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安倍政権がもくろむ 「軍人勅論」「戦陣訓」の大衆洗脳
[Tuesday,April11,2017]

戦前の暗黒時代に逆戻りだ――。
 政府が「教育勅語」を、教材として用いることまでは否定されないと閣議決定した一件。教育勅語が戦前、国民を戦争に駆り立てた“大衆洗脳”の教訓なのはご存じのとおりだ。親孝行しろとか夫婦は仲良くしろとのもっともらしい文言の中で「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」と命じている。危急の際は皇室の運命を助けなさいというのだ。
 この教育勅語が塚本幼稚園の騒動で批判にさらされたというのに、政府は現代に復権させようとしている。となれば心配なのが今後の動きだ。戦前の日本には「軍人勅諭」や「戦陣訓」があった。
 前者は1882年に成立。軍を統帥する天皇が、日本に生まれた者は軍人に限らず国に報いる心を持てと教えている。後者は1941年に東条英機が示達した。「生きて虜囚の辱を受けず」の一文が日本兵や民間人の自殺を誘発したことは有名だ。
教育勅語が復権するからには同じような戦前の遺物も蘇る恐れがある。政治評論家の森田実氏が言う。
「安倍首相や稲田防衛相ほか日本会議の面々は日本を戦前のように戦争ができる国につくり替えたがっているのです。楽に国民を支配できる体制にするために軍人勅諭や戦陣訓の要素まで復活させかねません。国民に自己犠牲の精神を植え付けるために、幼いころから教育を始めると考えられます」
 戦前は「海行かば」のような大君のために死にゆくという歌もあった。塚本幼稚園の園児が歌っていた「愛国行進曲」には国民を「臣民」とし天皇の勅命を遂げるという一節がある。
「安倍首相や日本会議はこうした精神をも推奨し、国家に殉じる国民をつくり出すつもりでしょう。今後は出版社などが右傾化し、戦争と軍国主義を正当化する雑誌を増やしていくと思われます。恐ろしいことです」(元大阪府議で作家の柳河瀬精氏)
 広域暴力団山口組には「内を固むるに和親合一を最も尊ぶ」「外は接するに愛念を持し、信義を重んず」など5カ条からなる綱領がある。教育勅語もヤクザの教えも同じに思えるのだが……。

【日刊ゲンダイ 2017年4月8日

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やっぱり、おかしいよね
[Friday,April7,2017]

最近、おかしいと感じることがあまりにも多い。官僚組織をめぐる昨今の問題である。
 学校法人「森友学園」への格安での国有地売却問題では、売り主の財務省と学園側との交渉・面会記録が廃棄されていた。文書管理規則で保存期間一年未満に分類され、契約を締結すれば用済みらしいのだが、どういう経緯があったのかは、闇に葬られてしまった。
 かと思えば、安倍晋三首相の昭恵夫人付き政府職員が当時の学園理事長に送ったファクスの文書は政府側にも残され、公表までされた。「行政文書ではない」にもかかわらず、である。残すべき公文書が廃棄され、私文書が保管されている。この問題に関わる人たちは、おかしいと思わないのだろうか。
 もう一つ、文部科学省の問題である。
 国家公務員法違反に当たる組織的な天下りのあっせんが同省だけで六十二件に上り、歴代の事務次官や人事課長ら計四十三人が停職や減給などの処分となった。
 法律を守るのは行政権限の執行者として当然だが、教育行政をつかさどるものとしてはより高い倫理観が求められてしかるべきだ。
 その立場にある者が、法律を平然と犯す一方で「道徳」教育を推進し、人の道を説くのは、滑稽ですらある。国は、道徳教育を進める前に、国民の手本となるべき官僚自身に倫理観や順法精神を教え込んだ方がいいと言うのは、言いすぎだろうか。(豊田洋一)

【東京新聞 2017年4月5日

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浜矩子氏が警鐘 「安倍首相は幼児的凶暴性の強い人」
[Monday,March20,2017]

日経新聞で先ごろ「日本国債」という連載があり、その2回目(7日掲載)を読んで驚きました。昨年秋、安倍首相が与党議員に次のように語ったというのです。
「政府と日銀は親会社と子会社みたいなもの。連結決算で考えてもいいんじゃないか」
 私は1年以上前から、「今や日本銀行はチームアホノミクスの中央銀行支部と化してしまっている」と書いたり、発言したりしてきました。だから、「私が安倍首相に妙な知恵をつけてしまったのか」と、手前味噌で笑ってしまったのですが、そもそもこの考え方は法律違反です。日銀法では日銀は独立の存在であり、財政法第5条にも、日銀は直接、政府にお金を貸してはいけないと書いてある。それなのに、こんなことを平気で言うなんて言語道断。いよいよこのオッサンは、大日本帝国会社という名の国策会社の総帥になっているつもりなのかと驚きましたよ。
■ますますひどくなる誇大妄想
 安倍首相らは、アホノミクスが実体経済の基盤強化につながっていないことがわかり焦っている。くだんの記事の見出しは〈シムズ理論の甘い誘惑〉です。浜田宏一内閣官房参与を筆頭に「シムズ理論」(クリストファー・シムズ米プリンストン大教授が唱える「財政赤字により物価水準を押し上げる」という考え方)を首相に説いているようですが、非常に問題がある。
 シムズ理論とは、「意図的無責任財政のススメ」なのです。財政と金融を一体運営しなければうまく行かない。なぜなら、無責任財政でインフレを起こすといっても、そのために発行する国債を誰かに買ってもらわなければならないからです。しかし、民間の投資家は、そんな国債は踏み倒される恐れがあり、買わない。つまり、中央銀行に給金してもらうしかないわけです。
政府が本気でシムズ理論で行くなら、財政と金融の一体化が不可欠です。だから安倍首相が、「日銀は子会社でいいんじゃない」と口走ってしまう。これって、恐ろしいことですよ。
 森友学園問題に絡む国会答弁を見ていて、面白いなと思ったのは、人間は焦ると防御的になるあまり、言わなくてもいいことを口走ってしまうということです。安倍首相が「私は公人だけど、妻は私人」と発言したことで、首相夫人の立場についての問題に火がついた。「私の妻を犯罪者扱いするとは不愉快」という発言もありましたが、誰もそんなことしていない。どこかで「犯罪者だと思われかねない」と不安になっているから、素知らぬふりができずに、逆上して言わなくてもいいことを口走ってしまうのです。非常に幼児的凶暴性の強い人ですよね。
「日銀は子会社」発言にしろ、国会での逆上ぶりにしろ、いずれもその背後に「自分は偉い」感覚が感じられます。誇大妄想がひどくなっていると思います。誇大妄想と幼児的凶暴性は表裏一体。これらを総合的に見ると、1月の施政方針演説にも出てきた「世界の真ん中で輝く国づくり」に行きあたる。強権的な帝国づくりに、ますます燃え上がって来たように感じます。我々は一段と警戒心を強めなければなりません。

【日刊ゲンダイ 2017年3月19日

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安倍首相が年金私物化…GPIFが米インフラ投資に消える
[Sunday,Feburary5,2017]

これはいくらなんでもヒドイ。10、11両日に予定されている日米首脳会談で、日本が4500億ドル(約51兆円)規模の経済協力を米国側に申し出ると報じられた。目玉となるのは米国内における最先端のインフラ投資で、ナント、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金が活用されることになりそうだという。
 GPIFの高橋則広理事長は「政府からの指示で運用内容を変更することはない」と否定したが、安倍官邸からの株式運用比率の引き上げ圧力にあっさり屈したのはどこのどいつだ。今回も米企業がインフラ事業の資金調達のために発行した債券をGPIFが購入するなど、米国のインフラ開発を“後方支援”する具体策が検討されているようだ。
■バクチに続き国民の老後資金を私物化
 GPIFは運用方針上、最大5%(約7兆円)まで海外インフラに投資できる。現時点で約800億円にとどまっている投資額を徐々に引き上げていくことになりそうだ。
 言うまでもなく、年金資金は国民の“虎の子”の老後資金である。そんな大事な資金をまるで自分のカネのように、トランプ大統領のために差し出すなんてどうかしている。経済評論家の山崎元氏が言う。
「報道が事実なら正気の沙汰とは思えません。GPIFは運用委員会の承認などの正式な手続きを踏んで、“米インフラ投資は被保険者の利益につながる”と説明するつもりかもしれません。しかし、間接的にせよ、メキシコ国境沿いの壁や高速道路建設といった米国内のインフラ投資に年金を費やすことになれば、日本国民の理解は得られないと思う。安倍政権はトランプ大統領に『為替操作国』だと名指しされて青ざめているのでしょう。恫喝に縮み上がって国民の年金を差し出すなんて情けない。年金は政府の財布じゃありません。ロクでもないことをしようとしているなという印象です」
■16年上半期には10兆円以上の損失を計上
そもそもGPIFと政府は年金オーナーの国民の意向を無視。2014年10月に国内株式と外国株式をともに12%から25%に増やした結果、16年上半期だけで10兆円以上の損失を計上した。ハイリスク・ハイリターン投資の失敗の責任を誰も取らず、また国民の意向を無視するなんて冗談じゃない。
 国民にまた無断で資産構成を変えれば、年金資金に大きな穴をあけることになりかねない。
「海外のインフラを投資対象にした運用自体はまったくあり得ない方法ではありませんが、日本国内にインフラファンドはたくさんあるとはいえません。GPIFに海外インフラを分析できるだけの知見を備えたアドバイザーがいるのか疑問です。本来、損を出すことが許されない年金資金は思いつきや勢いで運用する性質のものではない。大損失を出して税金で補填することだけはやめてもらいたい」(山崎元氏)
 年金を危険なバクチに使ったかと思ったら、今度はトランプへの持参金代わりにしようとしている安倍首相。135兆円に上る積立金を一刻も早く国民に返して欲しい。

【日刊ゲンダイ 2017年2月4日

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中国人の邦人虐殺、通州事件を学べ
[Wednesday,January18,2017]

中国人の邦人虐殺、通州事件を学べ
『文藝春秋』元名物編集長の堤堯氏が嘆く。─氏と同年代(70代後半)の日本男児が余りにも歴史を知らないと。
「仙台の中学の同期生、12〜13人の集まりで通州事件を知ってるかと尋ねたら、知っていたのがわずか3〜4人。歴史呆けは若いモンだけじゃない」
詳細は後述するが、通州事件は昭和12(1937)年7月29日払暁に、中国河北省通州で発生した日本人虐殺事件である。日本人を守るべき立場にあった中国人保安隊が一挙に襲いかかり、日本人居留民225名に加えて日本軍守備隊32名の計257 名を尋常ならざる残酷な方法で殺した。
日中戦争のこの重要事件を知らないのは堤氏の友人だけではない。他の多くの日本人も同様ではないか。その理由について、『慟哭の通州 昭和十二年夏の虐殺事件』(飛鳥新社)を 上梓した加藤康男氏が非常に重要なことを指摘している ─ 「日本政府は戦後一貫して事件のことを口にしていない。奇妙なことだが、日中両国政府がこの事件を『なかったこと』にしてしまっているとしか思えない」。
中国への配慮からか、同事件に一切触れない外務省だけでなく、中国政府もこの事件を歴史から消し去ろうとしていると加藤氏が言うのは現地を取材したうえでのことだ。いま事件現場を訪れると、城壁や城門はおろか通州城の面影を示す建物全てが壊されているそうだ。破壊は90年 代に始まり、事件関連の建物の一切合切がすでに消えている。さらに通州は北京市に編入され、副都心化に向けた建設によって昔日の歴史がきれいさっぱり拭い去られようとしている。
「南京や盧溝橋はもとより、滿洲各地にある旧大和ホテルに至るまでが 『対日歴史戦』 の遺跡として宣伝利用されていることを考えると、雲泥の差である。『通州虐殺事件』の痕跡 は極めて都合が悪いので、完膚なきまでに消し去ったものとしか考えられなかった」との氏の直感は恐らく当たっていると思う。
凄惨な目撃談
中国人は長い時間をかけて歴史を書きかえつつあるのだ。彼らは、恐らく人類史上最も残虐な民族である。 だからこそ、日本人を中国人よりも尚残虐な民族に仕立て上げ、免罪符を得ようとしているのではないか。 そのためには、悪魔の所業としか思えない残虐な方法で中国人が日本人を殺害した痕跡の全てを消し去らなければならない。それがいま、通州で起きていることではないか。
通州事件が発生した前年の12月に、 蒋介石が張学良に拘束され、国民党と共産党が抗日で協力する体制が生まれた。西安事件である。国民党軍と共産党軍が対日戦で協力するとはいえ、中国各地には彼らの他に匪賊、馬賊が入りまじって戦う複雑な状況があった。しかし、通州城内は防共自治政府の保安隊(中国人部隊)によって守られているから安全だと信じられていたと、加藤氏は説明する。事件発生当時、邦人の安全を担う日本側の警備隊は用務員、小使らを加えても163名が全てだった。対する中国人保安隊は城内に3300 名、城外に2500名がいた。
この勢力が29日午前3時すぎ、一挙に日本人を襲い始めた。悪魔の所業は加藤氏の『慟哭の通州』もしくは今年出版されたもう1冊の本、『通州事件 目撃者の証言』(藤岡信勝編著・自由社)に詳しい。
中国人は日本人の目を抉り取り、 腹部を切り裂いて10b以上も腸を引っ張り出した。女性を犯したうえで無残に殺した。何人もの日本人を生きたまま針金で掌を貫いてつなぎ、 なぶり殺しにした。日本人の遺体は全て蓮池に放り込まれ、池は真っ赤に染まった。こうして書いていると息が苦しくなる。日本人には信じ難い地獄を、中国人は実際に次から次へとやってのけた。なぜこんなことが分かるか。 夫が中国人で通州に住んでいた佐々木テンさんが事件の一部始終を目撃していたのだ。佐々木さんはその後、夫と別れて、昭和15年に日本に戻った。50年後、彼女は佐賀県基山町の因通寺住職、調寛雅氏に凄惨な目撃体験について語り始めた。それがいま、前述の『慟哭の通州』と『通州事件』につながっているのだ。当時の歴史を振りかえると中国側が如何に対日戦争に向かって走っていたかがよく分かる。戦争をしたかったのは中国であり、日本ではなかった。このことは立命館大学の北村稔教授が林思雲氏と共著で出版した『日中戦争─戦争を望んだ中国望まなかった日本』 (PHP研究所)にも詳しい。
加藤氏も中国人の好戦性を書いている。昭和12年7月7日夜、北京郊外で勃発した盧溝橋事件は、国民党の宋哲元軍長麾下の第29軍が日本軍に発砲したことが契機である。日本政府はいち早く事件の不拡大を決定したが、中国側の挑発は続いた。10 日には中国人斥候が日本軍将校を銃撃、13日には日本軍のトラックが爆破され、4名が死亡する「大紅門事件」が起きた。
反撃の材料
25日には北京郊外の駅、郎坊で軍用電線が中国側に切断され、修理に向かった日本軍の補修隊が迫撃砲による砲撃を含む激しい攻撃を受けた。ここに到って日本側は先に閣議決定 しながら実施せずにいた派兵を実行することになったのだ。こうした歴史を日本人は余りにも知らない。意識しない。中国の歴史捏造に反論しないのは、そもそも、このような歴史を知らないからだ。
堤氏が語る。「岩波の『近代日本総合年表』は、世界の歴史を1日刻みで輪切りにして書いていますが、僕の手元にある版には通州事件が載ってない。これはおかしいと、岩波に問うたら、通州事件を加える必要を認めない、要は編集権の問題だというのです。ただ、その後に出版されたものには通州事件も入っていた。僕の抗議が功を奏したのかもしれませんね」 中国が歴史を捏造し、日本に酷い非難を浴びせでも、外務省は反撃しない。反撃の材料のひとつである通州事件にも、加藤氏が指摘するように一度も言及していない。学校でも通州事件を含めて歴史そのものを余り教えない。この奇妙な知的無関心の中で、通州事件は、中国の企むように忘れ去られていくのか。断じて、そんなことは許されないだろう。 私たちはもっと先人たちの思いや 体験に心を致すべきだ。日本を作ってきた先人たちの努力や誠実さを知るべきだ。日本人の歩みを知らない ことによって歴史の真実から遠ざかり、日本悪玉論を軸とする中国の歴史の見方に自ら転げ落ちてはなるまい。加藤氏の『慟哭の通州』と藤岡氏の『通州事件』を、日本人なら、いまこそ読むように強く勧めたい。

櫻井よしこ 20161117日号週刊新潮

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都政を食い物にした石原慎太郎氏 都知事時代の“黒歴史”
[Monday,October10,2016]

豊洲市場の「盛り土」をめぐり、「調査に協力したい」と口にしていたくせに、一転してヒアリングを拒否した石原慎太郎氏(84)。さすがに小池百合子都知事(64)も「あら、そうですか」と言うわけにいかず、質問書を送り付けている。さんざん都政を私物化し、食い物にしておきながら逃げ切ろうなんて許されるはずがない。慎太郎氏は知事時代、巨額の税金を浪費していたのだ。
 そもそも、舛添前知事時代に大問題になった海外豪華出張の先鞭をつけたのも石原氏だ。任期13年中、海外出張に出かけたのは34回、計201日に上る。都庁には週2、3回しか顔を出さなかったのに、外遊は4カ月に1回のペースだった(別表参照)。最高額は12人で連れ立った11泊12日のベルリン、ワルシャワ、クラクフ周遊。約4811万円も費やしていた。詳細が判明している30回分の平均は1681万8636円、計約5億455万円に達した。
 ツルの一声で2001年に始めたトーキョーワンダーサイト(TWS)では、芸術家として目立った受賞歴もない四男を「余人をもって替えがたい」と重用。外部役員を務めさせ、都の予算を注ぎ込んだ。初年度は約5600万円だったのが、5年後には8倍近い約4億4209万円に膨れ上がった。身内を優遇する事業に約7億2200万円も突っ込んでいたのだから、開いた口が塞がらない。
 猛反対を押し切って設立した「新銀行東京」はすぐに傾いて出資金1000億円がパー。追加で500億円も血税を回すハメになった。
 豊洲市場の移転も、盛り土問題も、石原時代に決まったことだ。知っていることは洗いざらい話すのが筋だろう。

【日刊ゲンダイ2016年10月9日】

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AMAZONの鰐???
[Monday,March21,2016]

<はてな???>
Amazon prime fee Amazon という名でクレジットカードに請求がきましたが何かお分かりでしょうか?
<答え>
その請求の1ヶ月前にamazonで購入する際にお試しサービスに加入してるはずです。それが自動で本契約になってクレカに請求がかかります。
お試しサービス終了後有料サービス(お急ぎ便とか)を使ってないのなら、amazonの管理画面から解約すれば、お金は返ってきます。

【Yahoo知恵袋より】

<補足>
Amazonプライム をご利用いただき、ありがとうございます。
お客様のご希望により、Amazonプライムの会員登録をキャンセルしました。 Amazonプライムの特典を利用されておりませんので、お客様の年会費3,900円を返金いたします(現在年会費を請求中の場合は完了するまで返金できませんのでご了承ください)。年会費の請求が完了している場合は、通常1から3営業日程度で返金は完了しますので、次回のクレジットカードの明細でご確認いただけます。
<教訓>
ネットで購入は慎重に!!!!

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「日本人は教養不足」「習近平を見習え」鳩山由紀夫訪韓妄言録
[Thursday,January14,2016]

「学生を中心に、学者や一般市民も来ていました。鳩山氏は、韓国では“良心派” として人気が高い。2、3百人が入る大講堂は満席でした」(現地記者)
日本中の度肝を抜いた“土下座外交”から3ケ月鳩山首相元首相(68)が、また韓国を訪れた。
3年半ぶりの日韓首脳会談直後の11月5日、鳩山氏が講義を行ったのは名門・ソウル大学。
「テーマは『日韓国交正常化50年に日韓関係を再び見つめなおす』でしたが、依頼した韓国側の思惑通り、内容は安倍政権批判のオンパレード。相変わらずの外交センスの無さを発揮しました」(同前)
冒頭、これまでに天皇陛下が韓国の歴代大統領に話された内容を紹介。
94年の晩餐会で、陛下が金泳三大統領に「過去の歴史に対する深い反省の上に立って」と謝罪したことに触れると、暴走が始まった。翌年の村山談話について、「天皇陛下の気持ち更に具体的に表現して、日本の進むべき道を示したものとして評価をすべき」と、勝手に天皇陛下のお気持ちを代弁。
一方、8月に発表された安倍談話については、「侵略の過去をお詫びする形にはなっていない」「安倍首相は自らを愛国者とはき違えているのでしょうが、自信のなさの裏返し」仕舞には「このような内容になってしまったことを申し訳なく思う」と、得意の謝罪外交を展開した。さらには中国脅威論を煽る安倍首相に対して、中国の習近平主席は30万人の丙両区削減を表明したとして、「(習氏を)見習うべきではないかと、提言。まさか中国の二枚舌外交を見習うべきということでもあるまい。
8月には、ソウルの西大門刑務所跡地で慰霊碑にひざまずいて謝罪した鳩山氏。
当時、国内で、“土下座外交”と批判されたのを意識したのか、
「政治エリート層に反知性主義が蔓延している.反知性主義と戦うために、日本人一人ひとりの教養を高めることが求められている」と、日本人批判も忘れなかった。
そのほか、TPP批判や自身が提唱する「東アジア共同体」の必要性など、70分に渡って熱弁。韓国メディアは多数取材に来ていたという。
「土下座外交は安倍談話の直前、今回は日韓首脳会談の直後。韓国にとって、鳩山さんは便利な存在になっています」(政治部デスク)
鳩山氏周辺が語る。「8月に帰国した後『土下座はまずいんじゃないですか』というと『あれは、作法だから』と悪びれた様子は一切なかった。鳩山さんはいい人。今も彼を人間的に慕う人は多いですが、政治的には誰も何も言えない状況です」
今回の発言を報じた新聞は産経のみ。もはや各紙「発言内容のメモさえ回らない」(政治部記者)状況で、外務省も完全無視の方針だという。韓国での発言の真意を聞こうと鳩山氏に電話すると、「ちゃんと正確な記事を書いて頂けるならいいですけど、また批判的な話にもっていかれるんじゃないかと思うmpのですから。私が直接応じると問題になりますので、事務所に連絡してください」
外交にもこれくらい慎重になった方がいいのでは?

【週刊文春平成27年11月19日号】

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これが本当の「土下座外交」
[Wednesday,November18,2015]

2010年の首相退陣後、尖閣問題やクリミア併合などにおいて独自の“暴走外交”を繰り返してきた鳩山由紀夫氏(68)。今度の舞台は韓国だった。
8月12日、日本の植民地時代に独立運動家を収監したソウル・西大門刑務所の跡地。鳩山氏は追悼碑の前でひざまずき、、恭しく頭を下げて謝罪に意を示した。その格好はまさに土下座そのもの。終戦記念日を目前にしての身勝手な振る舞いに日本中から非難の声が上がった。
しかし、当の本人はどこ吹く風。「(お詫びの)表現は、傷ついた国々の国民が『やめてもよい』と言う時期が来るまで続けなければ」と語る始末なのだ。
京都大学名誉教授の中西輝政氏が痛烈に批判する。
「日本人なら鳩山さんがネジの外れた人間だとわかっていますが、諸外国から見たら元首相。行動を慎むべきです。タイミングや場所から、政治的意図が感じられるし、実際に韓国も報道で利用している。明確に国益を損なっています。日本にはない法律ですが、他国なら「国家反逆罪」にあたるレベルです」
“宇宙人”と呼ばれるだけあって日本語の批判は届かぬようだが、せめてテレパシーで国民感情を察していただきたいものだ。

【週刊文春2015年8月27日号】

【追記】民主党政権の3年間が失敗し、国民から手厳しく審判が下されたことの理由として「政権担当能力が欠如していた」という。これを当人風に解釈すれば、曰く、「初めての政権交代で・・・」とか「初めての官邸で官僚らとの折衝に不慣れで・・・」などと抗弁する。が、考えてみれば「初めては」理由にならない。初めてだから、が失敗の言い訳として通用するのは童貞の性交渉だけだ。『<特集>愚者の大行進 古谷経衡』より。

【新潮45 2015年10月号】

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変見自在 嵌り役日本
[Sunday,September26,2015]

変見自在 嵌り役日本
良さそうに見えた割り込みを打ったら、大竹九段がそれはダメだねと言って20手先まで打って「ほらね」。世の中には先の先まで読めるヒトがいる。国と国とが織りなす歴史を見ても、先の先を読んで手を打つ国もあれば、ただ嵌められて泣きを見る国もある。
例えば真珠湾だ。ハワイ沖で演習した米太平洋艦隊が西海岸のロングビーチ基地に戻らず、そのまま真珠湾に繋がれた。本日からここを艦隊基地にするとルーズベルトが言った。真珠湾攻撃の1年半前のことだ。
馬鹿を言え、真珠湾は浅く、出口は狭い。いざというときに身動きもできない。何より日本に近過ぎると艦隊司令官リチャードソンが抗議したが、大統領は彼を更迭し、キンメルに替えた。それから日本を追い詰め、怒らせてここを攻撃させるつもりだった。囮だったとR・スティネット「真珠湾の真実」にある。
もう一人のルーズベルトが19世紀に末に始めた米西戦争もその類だろう。
あのとき米国はスペインの圧政にひしがれたキューバの民を救うと言って宣戦布告した。でも最初の砲戦は遠くマニラで始まった。
米国にはキューバなどどうでもよかった。4年かかった戦争のうち対スペイン戦は最初の半年だけ。あとは抗戦するフィリッピン人の戡定(かんてい)に費やされた。そこを取れば日本が南方に出る道を閉ざせる。この戦争の前、ルーウベルトは「日清戦争の賠償金で買った2隻の軍艦が日本に着く前にハワイを併合し、パナマ運河をつくり、太平洋に大量の軍艦を並べたい。私は日本を脅威と感じている」とアルフレッド・マハンに書き送っている。彼が大統領になったとき、その三つの願いは現実のものになり、はわい、ミッドウエー、グアム、そしてフィリッピンという日本包囲網ができあがった。
広島原爆50周年に当たる95年、ワシントンに原爆投下機エノラゲイを丸ごと展示するソミソニアン博物館の別館が完成した。館長マーティン・ハーウイットは「良くも悪くも歴史的な意味を持つ機を朽ち果てさせるのは忍びなかった」と言った。しかし米政府公文書には原爆投下の翌年に米空軍が同機をスミソニアン博物館に寄贈し、大事に保管されててきたとある。朽ちてなどいない。50年前からこの日のために手を打っていたのだ。館長はぬけぬけ嘘を言った。そう言えば20世紀末に妙なイベントが二つあった。
一つは金沢で遊んでいた白人の英会話教師が書いた「敗北を抱きしめて」に、ピューリツァー章が出された。優れた歴史研究所を顕彰するバンクロフト賞も、全米図書賞も与えれれた。
白人に媚びる日本人と彼らを正しい道に導く占領軍という思込みが半分。残りはパンパンの語源に性病に効く抗生物質の話。知性を感じさせないジョン・ダワーの本がいい賞ばかり受賞したワケは先の戦争を「白人倶楽部に入れなかった日本が突如、発狂し、残忍にアジア諸国を侵略した」と定義したからだ。
アジア諸国を侵したのは白人どもだ。それを消した上で「南京大虐殺」も「赤ん坊を放り上げて銃剣で刺した日本軍」の所業も「今さら検証するまでもない」と真実と認定している。
これに権威ある賞を与えれば原爆投下も東京大空襲も「極悪の日本を一刻も早く叩き潰すための正義の行為」に昇華できる。彼の受賞と同じ頃、全米のジャーナリストによる「20世紀100大事件」のアンケート結果が発表された。
月面着陸とか抗生物質の発見とかを押しのけて1位は「原爆によって日本を降伏させた」だった。さらに月面着陸を挟んで3位に真珠湾が入る。ロシア革命(16位)なんて目じゃなかった。かくて21世紀。「原爆による日本人大虐殺」を米国の恥どころか、大いなる誇りに変えてしまった。戦後70年。では日本はどう先を読み、どう手を打っているのか

【週刊新潮7月2日号 高山 正之

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原発交付金、再稼働なくても減額せず・・・政府方針
[Sunday,May5, 2012]

政府は、原子力発電所の立地市町村に支払っている電源立地地域対策交付金を、原発が再稼働しない場合でも減額しない方針を決めた。
同交付金の一部は原発の発電量実績に応じて支払われるため、再稼働できないと大幅な減額になり、立地市町村の財政悪化につながる可能性がある。こうした事態を避けることで、地元に再稼働への理解を得る狙いがあるとみられる。
対象となるのは、同交付金の中の「原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金相当部分」で、原発が発電した量に応じ、その2年後に交付金として支払われる。
ただ、安全上の理由で原発を動かさない場合は、「最大81%分の発電量実績があった」と見なして交付金を支払うとする“みなし規定”がある。政府は、昨年3月の東京電力福島第一原発事故以降の一連の再稼働の遅れは、みなし規定に該当すると判断しており、全国の商業原発50基すべてが対象となる見通しだ。

(5月5日 読売新聞)

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原発事故は「人災」班目原子力安全委員長
[Sturday,June11, 2011]

原子力安全委員会の班目春樹委員長は9日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発事故について「まさに人災だ」と指摘し、原子力安全委員会が定めた各種指針を抜本的に見直す考えを重ねて強調した。班目氏は「原子力施設は分厚く守られなければいけない。津波が想定を超えても第2、第3の防護手段がないといけないが、そういう手段を講じていなかった」と述べた。

<参考>原子力基本法(the atomic energy basic law)〔科学・技術 > 原子力 > [原子力情勢〕
1955年に制定された。基本方針には、自主・民主・公開の3原則を入れて、平和利用に限定することをうたっている。原子力船「むつ」放射能漏れ事件をきっかけに、78年6月、基本法が改正され、原子力委員会は「原子力委員会(atomic energy commission)」と「原子力安全委員会(nuclear safety commission)」に分割、開発と安全規制を分離させた。(現代用語の基礎知識2010年版より引用。太字表示は引用者による)

(MSN産経ニュース 2011.6.9)

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明らかになる「想定外」の虚構
[Thursday,May12, 2011]

歴史の中の災害が現在に繋がるリアリティを持つものだということは、何を意味するのか。それは、「起こりうる可能性があるものは、確率は低くても、現実には必ず起こる」ということだ。地殻変動の規模は何万年というスケールで見ないと正しくとらえられないのだから、地質学の調査データや古文書の記録に凄いもにがあれば、それを重視しなければならない。
だから、災害対策においては、「起こる可能性があるものは必ず起こる」という“災害・事故の掟”に対して、真摯に取り組んだかどうかが、問われるべき命題となるのだ。
だが、この命題は、日本の行政や企業や技術者の世界では、タブーと言ってよいほど、無視されてきた。そんな発想を持ち出したら、「おまえ馬鹿か。そんな可能性まで考えたら、いくら予算があっても足りないよ」と言われてしまう。つまり、起こる可能性がある事態の中で、確率の低いものについては除外して、経済的に対応可能なところの上限で線引きをして、それを最大の地震・津波としてしまう。そして、万一それを上回る地震・津波が発生した時には、「想定外」という一言で弁明する。これが、日本の行政、産業界、大半の技術者の長年にわたる思考の枠組み(パラダイム)だったのだ。
実際、東電の清水正孝社長は、地震の2日後の3月13日夜の記者会見で、「想定を大きく超える津波だった」と語った。
一体、「想定外」とは、何なのか。議論を進めるために、「想定外」のケースを分類しておく。
A本当に想定できなかったケース。
Bある程度想定できたが、データが不確かだったり、確率が低いと見られたりしたために、除外されたケース。
C発生が予想されたが、その事態に対する対策に本気で取り組むと、設計が大がかりになり投資額が巨大になるので、そんなことは当面起こらないだろうと楽観論を掲げて、想定の上限を線引きしてしまったケース。
この「想定外」の虚構については、メディアも3月下旬になって、福島第一原発の事態が深刻化する中で、追いかけ始めた。新聞紙上から根拠の明確な情報ピックアップしておこう。
【大津波の規模について】
ー略ー(朝日新聞3月25日、毎日新聞3月27日)記事内容
【原発の安全設計について】
▼2006年衆議院内閣委員会で、吉井英勝委員(共産)が、原発で非常用電源が失われたときにどういう事態になるかを質問したのに対し、当時の原子力安全委員長の鈴木篤之氏は、「日本の(原発の)場合は同じ敷地に複数のプラントがあることが多いので、他のプラントと融通するなど、多角的な対応を事業者に求めている」と答えて、安全性が確保されていることを強調した。
▼2007年2月中部電力の浜岡原発をめぐる訴訟で、東大教授だった斑目春樹氏(現原子炉宇安全委員長)は、中電側の証人と出廷し、原発用の非常電源がすべてダウンした場合の想定の有無を原告側から問われて、こう証言した。
「非常用ディーゼル2個の破断も考えましょう、こう考えましょうと言っていると、設計ができなくなっちゃうんですよ」「ちょっと可能性がある、そういうものを全部組み合わせていったら、ものなんて絶対つくれません。」(前項とも朝日新聞3月26日)
これは、いろいろな可能性を「想定外」のほうに押し込む線引きの発想の典型的な例で、ケースCに該当すると言えるだろう。斑目氏は、大震災後の3月22日の参議院予算委員会で、「割り切り方が正しくなかった」と言って、前期の法廷での証言を訂正した。
さらに、翌3月23日の記者会見では、「(原発の状態は)想像よりもどんどん先にいっちゃっている」と語った。
斑目氏のこの前言訂正は、原発を造る専門家だからといって・災害・事故の専門家ではないことを、はからずも露呈したものと言えるだろう。しかし、「想定外」の線引きは、そういう造る側の専門家と行政によって強行されてしまうのだ。その結果、どうなったか。福島第一原発の津波想定値は、最大で5・7メートルだったのに対し、今回の大津波は推定で3倍近い14メートルにもなり、防波堤を一気に超えて、敷地内の配管などの設備を目茶々々に破壊したのだ。

(文芸春秋5月特別号、柳田邦男『「想定外」か?─問われる日本人の想像力』より。太字表示は引用者による)

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increasingly loopy
[Monday,April26, 2010]

〈increasingly loopy〉(ますますいかれた)――先日、米ワシントン・ポスト紙の人気コラムが鳩山首相を酷評した際に使った言葉だ◆〈loopy〉は〈気が変な〉などとも訳され、一国の首相にいささか非礼とも言えるが、〈increasingly〉の〈ますます〉は下の語を少し変えれば、全くおかしくはない◆下の語を〈言を左右にする〉にすれば、ずばり的を射て否定のしようもない。きのう、首相の元公設第1秘書の判決にからんでも〈またまた〉あきれる前言撤回があった◆元秘書の刑は禁固2年、執行猶予3年。控訴はせず確定する。確か公判が終わったら、母からの巨額な資金の使途など、すべてを説明するはずだった◆ところが、いざ終わってみると「資料を出す必要はない」に唖然(あぜん)とする。そもそもこの裁判は「秘書の罪は議員の責任。バッジをはずすべきだ」と他人には迫りながら自分は別という首相の大食言の根源でもある◆これでは〈loopy〉でも仕方がないか。

(4月23日  読売新聞「よみうり寸評」)

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「新・東京裁判」再読(阿川弘之)
[Thursday,April9, 2009]

本誌(2008年10月、文藝春秋)の「新・東京裁判」は中々読み応へある座談会であった。・・・その中から防衛大学校教授戸部良一氏の発言を一部引用する。
「私が東京裁判について感じるのは『負けたらこうした仕打ちを受けるのだ』ということです。当たり前のことですが、やはり負けてはいけないし、負けるような戦争をしてはならない」
まさに仰せの通り。それじゃ日本は、いつ何処で「負けるような戦争を始め」る方向へ踏み込んで行ったのか、振り返ってみれば結局、満州事変がそもそもの発端といふことになるだろう。・・・・事変は昭和6年の9月に起った。・・・その影響は21世紀のこんにちにまで及んでゐる。「あの鉄路爆破爆破こそ現場の暴走、下克上の最たるもの」と、半藤老探偵(半藤一利)が史実に基づいて指弾するのに対し、戸部教授は謀略に関与した主要人物の実名を挙げる。関東軍参謀石原莞爾中佐と石原の上司板垣征四郎大佐、彼らの企図をあらかじめ察知し得たはずなのに敢えて制止しようとしなかった関東軍指令官本庄繁中将、その要請に応じて、天皇の御裁可を得ないまま兵を満州領内へ進め、「越境将軍」ともてはやされた朝鮮軍指令官林銑十郎大将、以上4名。
「これは大元帥である天皇に対する命令違反にほかなりません。林も石原も、本来なら陸軍刑法で処罰されてしかるべきでした。これが処罰されないどころか、喝采と栄誉をもって受け入れられた(語句の一部省略)」
謀略で始まったくさの後始末が不適切で、罰すべき人物をきちんと罰しなかった結果は、国家のことなど二の次、支那事変の泥沼化から対米開戦、ミッドウェイ以後の敗戦に次ぐ敗戦、ソ聯の裏切りによる満州の惨状に至るまで13,4年間、国民に災厄を与へ続けるのです。
今年は極東軍事裁判の判決が出てから丁度60年、・・・・・それに気づいて私は2ケ月前の「文藝春秋」を取り出し、「新・東京裁判」を読み直しにかかったのだが自分流にあれこれ考へながら座談会記事を再読してゐるうち、・・・別の話が一つ頭に浮かんで来た。勝海舟晩年の片言隻語である。うろ覚えなので、巌本善治編「新訂海舟座談」(岩波文庫)を操ってみたら、勝が、「ナニ、忠義の士というものがあって、国をつぶすのだ」と言ひ、「国というものは、けっして人が取はしない。内からつぶして、西洋人に遣るのだ」と言ってゐた。
私は東京裁判を「復讐の儀式」と規定する半藤利一説に大賛成で、あれを国際正義の顕現、原告は文明などと肯定的に見る気は全く持ち合せない。しかし、市谷の法廷で裁かれたA級被告の中に、日本の国を内からつぶしてアメリカに渡してしまった「忠義の士」がかなり大勢混ってゐるのも亦否定しがたい事実であろう。その戦時中の言動を回顧すれば、彼らを今、復讐劇の犠牲者としてのみ遇することにはためらひを覚える。
偶々「海舟座談」を思ひ出したのがきっかけで、私はそんな風に考えた。まとまった所見ではないけれど、あの戦争とあの裁判とを私なりに考え改めてみることが出来て、それだけでも「新・東京裁判」再読の意義はあった。これを企画した編集スタッフと、半藤戸部両氏含めて6人の出席者に、おくればせながら謝意を表したい。

(文藝春秋、2008年12月号、「葭の髄から・140」より)

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公明党よ、権力に味をしめたのか
[Sunday,August19, 2007]

今度の参院選で公明党は5つの選挙区で候補者を立て、愛知、神奈川、埼玉の3つの選挙区では得票数こそ過去の実績を上回ったものの、議席を失いました。・・(中略)・・・投票率が高くなると勝てない公明党の限界が見えたと思います。・・(中略)・・公明党が自民党と連立を組むことになったとき、創価学会の秋谷栄之助会長(当時)は学会の機関紙・聖教新聞の中で、「自民党が暴走しないように、自民党を指導しに行く」旨を表明しました。・・(中略)・・その後の公明党は、自民党の暴走を止めるブレーキの役割を果たしてはいません。
それどころか、安倍首相が有権者の声に耳を傾けようとせず、ワガママで政権にしがみつくことを表明するや、公明党は早々とそれに乗っかり、支持を表明してしまった。・・(中略)・・
いまの安倍自民党の本質は、「明治憲法への回帰」にあります。顔立ちのソフトな印象とは裏腹に、安倍首相は極めて先鋭的な全体主義と軍国主義を露骨に押し出してきています。
全体主義とは愛国心を法的義務として教育基本法や新憲法草案に盛り込むなどの姿勢に代表されます。右向け右で国民の良心を縛り、まるで北朝鮮のような体制をつくろうとしている。また、解釈改憲で集団的自衛権の行使を容認し、アメリカの求めに応じて自衛隊の海外派兵へ道を開こうとする姿勢は、アメリカの「2軍」として自衛隊が海外で活動することにつながりかねない。
こうした安倍自民党の極端な「全体主義」と「軍国主義」を、本来ならば「人権」と「平和」を掲げる公明党が止めなければいけないのに、止めようとしないのはなぜなのか。公明党は権力の味を覚えてしまったのではないか。・・(中略)・・
宗教家には「殉教」という言葉があります。日本の政党の中で唯一、己が正しいと信じる主義のために「殉教」できる政党です。それが福祉予算という利権を与えられてか、自民党という強大な権力の前に、いやにおとなしいのはどうしたことでしょう。・・(中略)・・
創価学会の幹部や最前線の人たちに私の疑問を率直にぶつけると、みんないまの路線に疑問を感じてはいるんです。けれども、車は急には止まらなかった。その車が今回、惨敗という衝撃でぶつかって止まった。
今こそ公明党が、人権と平和という立党の原点に立ち返るときではないか。

(8月17日週刊朝日、「公明党よ、権力に味をしめたのか」より)

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原爆投下「しょうがない」久間発言
[Monday,July2, 2007]

久間防衛相が30日、米国の原爆投下に関し「しょうがない」と発言したことに対し、広島県被団協(坪井直理事長)の畠山裕子事務局次長(68)は「原爆で亡くなった人々は仕方なく死んだのか。被爆者の気持ちが日本政府に伝わっていなかったと思うと、悲しくて言葉が出ない」と述べた。
こうした声を受けて社民党の福島党首は久間防衛相の辞任を求める談話を発表した。
民主党の菅代表代行も島根県出雲市で、国民新党の亀井久興幹事長と共に記者会見し、「防衛相として全くふさわしくない」と述べた。
これに対し、自民党の中川幹事長は遊説先の奈良市内などで、記者団に、「原爆投下とソ連参戦の関係などは、歴史観の問題で、一個人の意見だ。久間氏も(補足の)コメントをしたようなので、これで誤解が解けると思う」と述べた。

(2007年7月1日 読売新聞)

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「従軍慰安婦」を米誌に‘広報した’安倍政権広報マン
[Thursday,May3, 2007]

従軍慰安婦問題で安倍首相への批判が世界に広がっている。・・・・・それにしてもなぜ今従軍慰安婦問題米マスコミで大きく取り上げられるのか。実は火付け役がいる。安倍首相の広報担当補佐官、世耕弘成氏だ。世耕氏が訪米したのは2月19日。米下院で提案されている「従軍慰安婦に関する対日謝罪決議案」について、「安倍首相の真意を説明に行く」と官邸関係者に大見得を切って出発した。しかし、「世耕氏の行動はピントはずれ」下院は祝日のため1週間休会、議員たちは地元に戻っていた。それを知っていて、世耕氏は訪米したのです。結局、ファーストクラスでの訪米で官費を200万円以上浪費しながら、一人の議員にも会えなかった」(官邸関係者)
何とか会えたのが、国務省のスティーブンス次官補代理。ヒル次官補の部下だ。「こんな下のランクの役人にわざわざ会いに来る国会議員なんていません。しかも、スティーブンス氏は慰安婦問題自体を知らなかった。それで、逆に『大変な問題だ』と思われてしまうのです」(同前)
さらに世耕氏の行動は裏目に出る。彼は騒ぎの発端となったニューヨーク・タイムズをはじめ三大TVネットワークなど大手マスコミをまわったのだ。在米記者の話。
「慰安婦問題は下院で何度も提案されている人権問題のひとつにすぎず、誰も関心がなかった。それをわざわざ首相補佐官が各マスコミをまわるものだから、寝た子を起こしたのです。そもそも法的拘束力のない決議案なので放っておけばよかったんです」
帰国後、世耕氏は安倍首相に「トータルで60人に会いました」と報告。しかし、説得すべき議員には一人も会わなかったことはひた隠し。最近は記者たちに、「訪米中、慰安婦の問題は一切話してない」とウソをついている。
官邸記者が嘆く。「補佐官を5人も起用したものの、みんな仕事がない。だからこんな事態が起きる」「広報のプロ」を自任する世耕氏の真価が問われる。

(週刊文春、3月22日号「THIS WEEK」より)

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